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小津安二郎学会


『小津安二郎 大全』(朝日新聞出版)編著者、松浦莞二・宮本明子と若手研究者を中心に結成された、小さな学会です。小津安二郎映画に対し、これまで多くの批評がなされてきました。一方、その研究はまだ始まったばかりだと私たちは考えています

「しぼり取る事しか考えない豚共から、逆に吐出させる事の出来るのは私達女だけなんだわ」。
これは、小津安二郎『朗かに歩め』(1930)脚本にあった台詞です。おそらく検閲により切られたのでしょう、現在観ることはできないのですが、若き小津はこのような刺激的な台詞が含まれた作品も撮っていました。しかし、このような側面はファンはもとより、映画批評家にもあまり知られてはいません。これまでの批評の多くが現存するフィルムを観てのもので、脚本や人物の研究が十分になされてこなかったためです。

 脚本に変更をすることはないと思われていた小津が撮影中に脚本の推敲を重ねていたこと、定説に反し撮影で50mm以外のレンズを使用していたこと、また、音楽に無頓着だと思われていた小津が黒澤明から影響を受けていたこと、前衛音楽家・黛敏郎を自らの希望で起用したことなど、様々なことが近年の研究で明らかになってきています。
 さらに、映画作品以外でも、映画劇場の設立を構想していたことや、舞台作品を演出していたことなども浮かび上がってきています。

 小津安二郎研究はまだ始まったばかりです。それゆえ、新たな事実が多数見つかっている面白い研究分野でもあります。私たちは調査や研究を通じ、小津安二郎とその作品の理解を深めていきたいと考えています。


 


運営者紹介


松浦莞二 映像作家・映画研究者
 高校2年時に美術教師より『晩春』を勧められたのが小津映画との出会い。くも膜下出血のリハビリ中に多数のビデオを見たことがきっかけになり、映画の世界に入る。2012年に小津をその人生・脚本・撮影・音楽の4つの視点から描いた短編映画『小津安二郎物語』を折田英五と共同監督。YouTubeで累計7万再生を得るなど好評を博す。その他、監督として多数のCM・短編映画を制作、世界各国で上映される。
 2016年頃から、小津安二郎の研究を本格化。その成果となる『小津安二郎 大全』(共編著:宮本明子)は、寄稿者に加瀬亮、坂本龍一らを招き朝日新聞出版より刊行。初の本格伝記を執筆、小津が中国で撮影した写真の修復などをおこない、「最新かつ最高」など高い評価を受けた。海外での出版も予定されている。
 また『浮草物語』サウンド版復元にも取り組み、国際映画学会:SCMSなど海外での映画研究発表や、早稲田大学他での特別講義、芥川賞作家:保坂和志、直木賞作家:北村薫らとの対談もおこなっている。



宮本明子 映画研究者

 同志社女子大学准教授。博士(文学)。早稲田大学大学院修了。『早春』台本上の里見弴によるとみられる書き込みを調査、映画史および作品の制作過程に関心を持つ。小津安二郎の使用した台本、ノートなども対象に、小津安二郎監督作品を研究してきた。その成果となる『小津安二郎 大全』を2019年3月刊行(松浦莞二との共編著)。毎日・読売・朝日新聞他で取材・書評が掲載される。
 映画に関するワークショップやシンポジウムも企画しており、石井妙子、周防正行らを招いた本書刊行記念シンポジウムは好評を博した。
 小津組助監督を務めた田中康義の著書『豆腐屋はオカラもつくる 映画監督小津安二郎のこと』(2018年、龜鳴屋)に編集協力。同書は「キネマ旬報ベストテン」樋口尚文が選ぶベストテン1位に選出された。その他、FM三重、NHK「歴史秘話ヒストリア」(2020年9月9日放送)などに出演。


 


論文・隨筆募集のお知らせ


 小津安二郎学会では論文・隨筆を募集しています。ご関心ある方は概要(300字以内)を下記フォームまでご連絡ください。

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